二人の共通点はステージ。
表現者と裏方、バレエとミュージカル。
属するところは異なるけれど
目の前のステージがどうすればより良くなるかをひたすら考え抜き、
技術とセンスを磨いてきた。

今までもこれからも「ステージ」が人生の中心だからこそ
私たちの「ハレノヒ」もノンフィクションとしてステージ上で行いたかった。
大切なゲストは、普段は人であふれている館内を貸切で自由に楽しんでもらいながら、
まずは観客席にお通しする。
私たちもお仕度を終えると、館内でのロケーション撮影。
「開宴」までにカメラ慣れして少しでもリラックス。

ゲストの皆様には集合場所と時間、そして結びの時間だけを伝えて
私たちが考えた約4時間のステージを楽しんでもらう没入型ウェディング。

舞台に負けないように、そして照明を私たちの味方につけられるように。
ドレスは光に当たって透けて煌めく、ラメ入りのチュール素材のプリンセスライン。
タキシードは反射しないよう、マットな明るい色を使用したデザインの物を。

テーマカラーのラベンダーパープルをメインに
大人っぽさを出したくてキャスケードを少し崩したようなブーケで
トータルのバランス感を調整。
私のアイメクは愛用してきた道具を使用して、自分自身でメイクアップ。

お色直しは動きやすいミモレ丈のチュール素材のドレスに、相棒のトゥシューズ。
彼は普段から親しみのある「黒」のタキシードにチェンジ。

観客席のゲストに見守られながら、挙式を執り行う。
自身で考えた誓いの言葉を述べた後、
司式者からの夫婦となった宣言が会場に響き渡ったら
ステージ上の閉まっていた幕が開きだす。
これは、私たち夫婦の人生の「幕開け」。

そして隠れていたステージには、場所を秘密にしておいた披露宴会場のセッティング。
ここからは、私たちを作り上げてきてくれたゲストにもステージに上がってもらい
過去・現在・そして未来を語って夢見る時間に。

私たちだけでは、「私たち」を作り上げることはできなかった。
ほかの登場人物がいてこそ、このステージは完成する。
そんな気持ちと沢山の感謝を伝える、そんなシナリオを用意した。